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合格者に聞く

株式会社フジスタッフ
横浜南支店
深瀬 亘 氏

●プロフィール●
2004年4月新卒でフジスタッフに入社して以来、一貫して営業職。
最初に配属になったのが新宿支店。2007年より横浜支店。派遣元責任者、第二種衛生管理者。(第1回「派遣検定」合格者)


目的意識を持ってチャレンジしました
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―なぜ「派遣検定」を受けようと思ったのですか。

 会社が「派遣検定というものがあるけれど、受けてみないか」と言われたのがきっかけです。派遣元責任者の講習は受けていますが、更新までの期間に改正された労働者派遣法の内容や、適正化に対する考え方など、派遣事業に関わるうえで、必要な知識を再確認する機会があったら挑戦してみたいと以前から考えていました。そんな折、「派遣検定」の話があったので、ぜひチャレンジしてみようと思いました。

―どのような方法で勉強をしましたか。

 第一回ということで、過去問題もありませんし、正直、簡単ではありませんでした。具体的には、事前研修のテキスト、派遣元責任者講習のテキストで勉強しました。派遣元責任者講習テキストは範囲が広いので、要点を絞って。あとは、用語や法律のこまかい部分は、書店で買った労働基準法の本を見たり、大学時代に使用していた労働法の教科書を引っ張り出して読んだり、またはウェブなどで調べたりしました。

 事前研修は、現場にいる人間としては、「ああ、よくわかる」という内容もあった一方で、法律の細かい部分や数字などは、知識があいまいな部分もあり、自分の弱い部分がわかってよかったです。自分の知識の弱い部分にも気づくことができました。勉強を進める中で、私の場合、データや数字にあいまいな部分があることがわかりました。やはりお客さまとお話しするとき、具体的な数字を示すのと示さないのとでは、説得力が違いますから。

 受験準備期間としては、テキストを用いてじっくり勉強したのは、事前研修後ですね。ただし、日々の仕事が勉強ですから、1〜2週間勉強すれば合格できるわけではないと思います。講習で知識の薄い、苦手分野を確認して、その部分を中心に勉強しました。そういう意味でも、事前研修のタイミングも良かったですね。

 じつは、検定の少し前に、第二種衛生管理者を取得したばかりだったので、労働安全衛生法は比較的楽に回答できました。衛生管理者は労働基準法の知識も必要なので、勉強していたことが役に立ちましたね。

知名度はまだ低いけれど、アピールしています
―合格後、周囲の反応はいかがでしたか。

 うちの社では、62人受験して29人合格しました。同じ支店の中でも、合格した人としなかった人がいたので、多少妬まれたかもしれません(笑)。また合格してから、社内でそれなりの知識があると判断されて、頼られることが増えましたが、この検定に合格したことは、今後の自分のキャリアにプラスになると思います。

 営業先では、正直まだ派遣検定の知名度が低いので、あまり反響はないのが現状です。しかし、お客さまに対しては、認知度が低いなりに、「派遣検定という資格があって、自分はそれを取得したうえで営業をしている」とアピールしています。それは長い目で見て、お客さまに対する安心と信頼につながると信じています。

―今後、「派遣検定」をどのように仕事に活かそうと考えていますか。

 新人のころ、余裕がなくて、知識があいまいだった時期があります。その頃の苦い思い出なのですが、法律改正のつど、新しい知識を仕入れなくてはならないのに、いちばん知らなくてはいけない部分を予習していなかったばかりに、お客さまに聞かれて答えられなかったことがありました。

 最近ではそのような失敗はほとんどありませんが、ここ数年でもかなり法律改正があったので、3年後には今の知識が役に立たないこともたくさんあると思います。だから、3年に一度検定を受けるということは、知識をおさらいする良い機会になりますね。

 やはり、試験でもないと勉強しませんから。派遣検定の受験勉強は、ふだん自分が仕事で使っている知識の足りない部分を補ったり、復習したり予習したりに大いに役立ちました。3年に1度の受験が、法律と知識を見直すきっかけとして利用するといいのではと思います。

―この数年間、人材派遣業界は厳しい時代でしたが、どのように乗り越えましたか。

 一時期、報道などの影響で、風当たりの厳しい時期もありました。自分の身内からも、多少心配されたこともあります。自分でも不安になった時期もありました。

 しかし、“自分たちはきちんと法令に基づいて、人材派遣を行っているんだ”という自負がありますから、どんなに周囲に言われようと、その部分だけは心がけてきました。どのように法律が変わろうと、たとえ法改正によってお客さまが派遣の活用を見直す状況が生じたとしても、私たちはしっかりコンプライアンスに基づいて業務を行っていることを徹底して説明していました。

 例えば、お客さまに対して、法律で対応できる範囲とできない範囲をキチンとお伝えすることも大切なのです。お客さまの期待を裏切るようで、対応できないことを伝えるのが心苦しいときもありますが…。しかし、キチンとした説明をし続けることで、お客さまの信頼を得られると思っています。

必ず必要な資格になってほしい
―「派遣検定」に望むことは何ですか。

 テキストを作ってほしいですね(笑)。また、営業で日々活動している身としては、法改正で変わった部分の知識を重点的に出題していただけると嬉しいです。見落としがちな法令の知識を問うものや、より具体的な現場のケーススタディを問う問題があってもいいかな…と思います。

 それから、希望としてはほかの資格でもよくあるように、「1級」とか「2級」とかレベル分けしてもいいのかなと、思います。

 例えば、現場で仕事をする人間は、たとえ1年目でも全員が派遣検定の初級を持っていないと営業ができないとか、もう少し経験を積んで責任者になるにためには、1級をとらなくてはいけないとか。業界全体のコンプライアンスレベルを維持、確保するうえでも、不動産取引業における宅建(宅地建物取引主任者)のように、必ず必要な資格になってほしいと思います。

―これから受験する方へのメッセージを一言。

 この検定を受ける方は、なんらかの形で人材派遣にかかわっている方だと思います。合格することを目標にするのではなく、日々の情報収集を怠らず、お客さまをスタッフの方に伝えていることを勉強につなげていくことが重要。「受からなくちゃ」というより、正しい知識を身に付けて、楽しんで知識の幅を広げるきっかけになるといいのではと思います。

(転載:月刊人材ビジネス2月号「合格者に聞く」)

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