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合格者に聞く

アデコ株式会社
セールスコンプライアンス部
風間 沙織 氏

●プロフィール●
1995年アデコ入社。7年間、登録、マッチング、スタッフフォローなど、営業関連の業務を経験した後、営業支援部門を経て、5年前に営業面のコンプライアンスを管理する「セールスコンプライアンス部」に異動。
支社からの問い合わせの対応や従業員に教育・指導を行うほか、労働局への対応や、クライアント向けに行う派遣法に関するセミナーで講師を務める。(第1回「派遣検定」合格者)


コンプライアンスに真摯に取り組む
アデコの姿勢が、結果となって表れました
合格者に聞く
―合格おめでとうございます。事前の勉強はたいへんでしたか。

 受験対策のための勉強は特にしていません。それでも高得点で合格できたことは、とても嬉しく思います。

 私は、アデコの営業面のコンプライアンスを管理する部署で、営業現場からのさまざまな問い合わせを受け、その対応をしています。毎日多くの質問を受けるので、その都度「調べて答えること」を何年も繰り返しているうちに、自然と知識を身に付けることができたのです。

 今回の試験の内容は、日々の業務で培った知識で解答することができました。

―「派遣検定」を受けた理由を教えてください。

 アデコでは、コンプライアンスを経営の最重要課題とし、徹底した取り組みをおこなっています。派遣スタッフやクライアント企業などのステークホルダーから信頼されるこ とで、業績の向上につながるものだと考えています。

 今回、「派遣検定」が実施されたことは、私たちのコンプライアンスの知識レベルを知る良い機会でした。これまでは、従業員同士で比較することはできても、同業他社と比較する機会がなかったので、その点が良かったと思います。アデコは、いち早く業務適正化のための、コンプライアンス強化に取り組んできたので、 多くの合格者を輩出できたことは、たいへん喜ばしいことだと思います。

  私は従業員教育の目的で労働者派遣法のテストの制作も行っています。自分が作った問題を従業員に解答してもらうことがあっても、他の人が作ったテストを受ける機会はなかったので、派遣検定を受けたことで、設問を作るためのヒントを得ることができました。その点でも受験して良かったと思います。今回、アデコの従業員が受けた試験の結果を分析し、弱点があれば克服し、さらなるコンプライアンスの徹底に取り組んでいきたいと考えています。

派遣労働のネガティブなイメージを払拭したい
―ここ数年、人材派遣業界にとって厳しい時代が続いています。

 「派遣労働」の認知度は、ポジティブな面とネガティブな面の両方で上がったと思います。

 ポジティブな点は、政府が規制の運用強化を行っていることから、人材派遣業界だけでなくサービスを利用する企業のコンプライアンスへの意識が高くなったことです。クライアント向けに行っている派遣法セミナーに参加する企業数が増えたこと、受講する担当者のみなさまの真剣さが伝わってくることを嬉しく思います。

 ネガティブな点は、一部の業者によるコンプライアンス違反や、「派遣切り」などの単語により、人材派遣業界と派遣労働が悪いイメージを持たれるようになったことです。私がアデコに入社した当時は、多くの派遣スタッフが派遣社員であることに誇りを持って働いていました。このような状況では、一生懸命働いている派遣スタッフが辛い思いをしているのではないかと心配しています。

 以前、登録担当者から聞いた話なのですが、家庭をお持ちの男性が登録に来社されたとき、「派遣労働に対してどのようなイメージがありますか?」とたずねたら、「娘には派遣で働いて欲しくない」とおっしゃったそうです。明確な理由がないまま、何となく悪いイメージを持たれてしまっていることは、業界の責任であると強く感じます。

 「派遣検定」の合格者が多い企業が評価され、選ばれる基準になると良いのかもしれません。「派遣検定」を通じて派遣労働のイメージが向上できるようになるといいですね。

検定のために勉強するのではなく、
コンプライアンスの意識を高めることが大切
―「派遣検定」への要望はありますか。

 試験は年に2回行われるようですが、できるだけ早く認知度を上げるためにも、年4回程度の頻度で行っていただけると良いと思います。また、都市部だけでなく全国各地で受験できると、地方の方たちの受験機会が増えると思います。

―これから受験する方へアドバイスをお願いします。

 私から言えることは、「日々の業務の中で、難しい派遣法の条文を、判りやすく説明できるようになるよう努めること」です。人材サービス業界に携わる方たちは、法律を「条文のまま理解しなければならない」と考えている方が多いと思いますが、私が営業担当者に派遣法について説明をするとき、派遣法のことを何も知らない人でも理解できるように、わかりやすい言葉に言い換えるようにしています。要は、法律の条文を誰でも理解でるように「翻訳」しているのです。

 また、試験はマークシート方式なので、筆記用具はシャープペンシルではなく、鉛筆を使ったほうが良いと思います(笑)。試験対策の「事前研修」もあるので、受講して事前に慣れておくのも良いと思います。

 最後に、これから受験される方に一番伝えたいことは、「合格することが目的ではなく、自分自身のコンプライアンスへの意識を高めることが大切」ということです。合否はあくまでも日々の業務の結果。合格できなくても、派遣検定で得た知識を活かして、日々の業務に励むことが重要であって、派遣検定合格するために勉強することは意味がないと思います。ステークホルダーから信頼を得るため、人材派遣業界のイメージ回復のため、という目的を理解しながら日々の業務に取り組むことがいちばんの試験の対策なのだと思います。

(転載:月刊人材ビジネス2月号「合格者に聞く」)

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