comp
お問い合わせ
HOME > メールマガジン > コンプライアンスニュース2013年8月号

コンプライアンスニュース2013年8月号

※2013年8月に発行しましたコンプライアンスニュースの主な記事をご紹介します。
-【目次】
 ▼ 労働者派遣法への思い
   人材ビジネスコンプライアンス推進協議会 理事 廣木正輝氏氏
 ▼ 第7回派遣検定事前研修 開催レポート
-
労働者派遣法への思い
廣木正輝氏

 今回のメールマガジンは平成16年~19年にかけて東京都労働局需給調整事業課長を歴任し、現在は当協議会理事を務めます廣木正輝氏に寄稿いただきました。

 従来、有料職業紹介事業及び労働者派遣事業の許可等の事務はハローワークで行っていたが、製造業務への派遣の解禁、許可事業所・派遣労働者の増加、および派遣・請負の混在等に対応するため、平成16年から需給調整関係業務を労働局に集中化することなり、東京労働局では需給調整事業部が設置されました。そして、その初代課長に就任したことが労働者派遣事業との本格的な出会いでした。

 労働力の需給調整は職業安定法(昭和22年施行)に基づいて推進されてきましたが、昭和50年当時の日雇労働市場は、依然として手配師等によって前近代的な建設労働者の供給事業が行われており、中間搾取その他違法行為が見られていました。そうしたことから、昭和51年「建設労働者の雇用の改善に関する法律(昭和51年)」(建労法)の施行により日雇労働市場の雇用の改善・適正化が図られました。
 また、一般労働市場においては、ME機器・OA機器の普及など技術革新、および企業活動の高度化・専門化などサービス経済化の進展に伴い労働力需要構造が変化し、専門性の高い分野での業務処理請負の事業が派遣的形態で行われておりました。その一方において、労働組合から労働者供給事業が違法に行なわれているとの苦情・申告が行政に多く寄せられていました。この労働市場の変化に対応するため、昭和60年に「労働者派遣法」が施行されました。当時、行政を担っていた者として、業務の適正な運営に論拠を得たことに心強さを感じました。
 
 私は、昭和63年にハローワークで民間需給調整業務を担当することになりましたが、法施行間もない時期で理解浸透も不十分であったことから、不適正・違法な派遣契約・就業等が散見されました。例示すると、労働組合から「労働争議中だが、ストをしても労働者が入ってくる。」これは派遣法違反ではないかとの申告を受けました。新法に不慣れもあって調査等対応に苦慮しましたが、「労供違反」「無許可派遣」「対象業務外業務への派遣」「労働争議不介入違反」などの指導を経験いたしました。

 また、平成16年から3年間、東京労働局で需給調整事業部の業務を担当することになりました。労働者派遣法は、平成8年に対象業務が「16業務から26業務(法施行時13業務)」に、平成11年には「派遣対象業務が原則自由化(政令業務外は1年)」に、平成15年には「自由化業務が1年から最大3年に延長、製造派遣の解禁、許可事務の簡素化」など、限定的に施行された当時に比べると、大幅に規制が緩和さていました。
 こうした一連の規制緩和により、派遣事業に参入しやすい環境になったことで「新規許可申請・届出」が爆発的に増加し、過当競争による派遣事業の質の低下が懸念されるところとなり、また、「就業条件の相違・残業等賃金未払い・過重労働・請負と称して違法に派遣が行われている」などの申告も相次ぎました。
とりわけ、物流・製造・情報処理関係に違法事案が多くみられ、関東の労働局の協力により、「偽装請負」「違法派遣」禁止のキャンペーン(派遣法周知セミナーの開催、申告事案への厳正な指導監督)を平成16年10月と11月の2カ月間実施した。こうしたことを余儀なくされたことは残念のきわみでもありました。
 
 また、派遣事業において派遣元責任者(雇用管理)・派遣先責任者(就業管理)は重要な役割を担っていますが、双方の法の理解不足に起因する苦情が多く寄せられていました。
 こうしたことから、人材ビジネスコンプライアンス推進協議会が行う「派遣検定」は的を得たものであり、派遣従事者のより一層の理解の促進に資するものと思われます。更に活用され、労働者派遣事業の適正かつ効果的な運営と派遣事業者・業界の発展に期待しています。

-
派遣検定事前研修
開催レポート

 本協議会は、派遣検定事前研修を7月10日に東京、16日に大阪、18日に名古屋で計5回開催いたしました。これは8月8日(木)に行われる第7回派遣検定に備えて行われたもので、全国から295名が受講しました。講師を務めたのは協議会理事で社会保険労務士の中宮伸二郎氏で、約3時間に渡り、労働者派遣法及び関係法令を解説しました。
事前研修 写真

 講義は改正労働者派遣法の施行後に大幅に改訂された研修テキストを使用し、派遣労働者などへの料金等の説明、関係派遣先派遣割合、派遣労働者の雇用安定、均衡待遇といった改正された点にもふれ、法律全般にわたって説明を行いました。また、試験問題への対策として答えの導き方やポイントも踏まえた解説も行いました。中宮氏の熱の入った講義に、受講者からは「大変わかりやすかった」「問題のレベル、ポイントがつかめたので参加してよかった」などの他、「対策だけでなく実務に役立つ内容だった」との声が寄せられました。

 会場ごとの受講者数は東京/午前62名、東京/午後76名、大阪/午前54名、大阪/午後56名、名古屋47名でした。また、年代別で見ますと20代の受講者が50名、30代が132名、40代が86名、50代以上が36名となっております。

 また、事前研修の際に実施したアンケート(回答者数265名)によると、参加者の中で労働者派遣事業に携わった経験が5年以上の方が143名と全体の54%を占め最も多く、次に経験が1~3年の方が64名と全体の24.5%を占めました。(下記のグラフ参照)

労働者派遣事業に携わった期間
派遣労働事業に関わった期間

 学習で使用する教材としては「研修テキスト」とした方が最も多く、次に当協議会から発行しました「過去問題集」となっております。

 事前研修の参加者の合格率は過去平均で10%ほど高くなっており、今回も高い合格率が予測されます。

-