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コンプライアンスニュース2013年7月号

※2013年7月に発行しましたコンプライアンスニュースの主な記事をご紹介します。
-【目次】
 ▼ 雇用に関する法を学ぶコツ
   法政大学法学部講師 山本 圭子氏
 ▼ 『派遣検定コラム』 過去問題集の活用の仕方
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雇用に関する法を学ぶコツ 
法政大学法学部講師 山本 圭子氏

 今回のメールマガジンでは4月に当協議会主催のセミナーでも講義して頂きました法政大学法学部講師の山本圭子氏に雇用に関する法を学ぶコツを解説して頂きました。

 
 法律の勉強は、ただただ無味乾燥な条文と向き合うことだと誤解をしているむきが多いのではないでしょうか。条文とのにらめっこは「法律の勉強ってつまらない」「労働法は難しい」という嫌悪感につながっているのかもしれません。今回は、初学者が雇用に関する法律(労働法)を学ぶに当たってのコツをご紹介します。

1 まず薄い教科書を読みましょう
 労働法を学ぶに当たっては、まず全体像を概観してから、各論に進むことをおすすめします。全体像を把握するには、あまり厚くない初学者(大学生)向けの教科書がお勧めです(例えば有斐閣アルマシリーズなど)。そういった教科書ですと、内容が過不足なく網羅されていますし、大学1、2年生でも無理なく理解できるよう平易に書いてあります。何よりの利点は、各法律の制定の理由や改正の背景・法の変遷が簡潔ながらも記されている点です。こういった知識は実用書ばかり見ていると身につきません。法律がなぜ作られたのか、なぜ改正されたのかということを理解しておけば、判断に迷ったときに正しい解釈・判断ができるというものです。
 ですから、回り道に見えるかもしれませんが、法の背景や歴史なども記されているテキストを一読して、法のマッピングを頭に納めておくことをお勧めします。そうすれば、条文や資格・検定試験のテキストをみたときに、それが労働法体系のどこの部分に当たるのか、ほかのどの部分と関連があるのかがわかるようになります。

2 判例に親しみましょう
 労働法を学ぶに当たって、必ず身につけていただきたいのは、リーディングケースとなった判例に関する知識と理解です。労働法は紛争が発生したがそれに関する条文がなかった部分を、裁判所が民法の一般原則などを用いて判断枠組みを構築することで発展してきました。例えば、労働契約法がそうです。従前は裁判例の積み重ねによって構築されてきた判例法理が、現在の労働契約法の条文などに組み入れられています。
 また、判例を読めば、法律が実際の事件に適用されて解釈運用されている状況が見えますし、判例を学ぶことによって、過去の紛争を「他山の石」として、トラブルの防止に役立てることができます。
 くわえて、新しい問題等については、裁判での判断が、次のルールを構築する契機となることが多いのです。
 判例を読む際には、その勝ち負けだけではなく、結論を導き出した理由も含めて目を通すようにするとよいでしょう。注目された事件は裁判所のホームページに掲載されますし、労働関係の裁判のみをあつかった雑誌(たとえば、『労働判例』誌)も複数発行されています。また、人事労務関係の雑誌には、たいてい裁判例を紹介するコーナーがありますから、これらを継続的に読むことでも知識を増やすことができます。
 それに、裁判所のホームページに掲載されていたり判例集に全文登載されている判決文は、当事者の生々しいやりとりが反映されてるので、読んでいてもちょっとした小説やサスペンスよりもハラハラどきどき、こんな酷いことがあっていいのかと考えさせられる点もあります。

3 行政解釈(通達)に注目しましょう
 行政解釈(通達)とは、行政内部で法律上文の解釈などについて、上位の部署から下位の部署に対して徹底するために用いられる行政の内部文書です。とくに労働基準法のような強行法規は、全国どこの労働基準監督署でも同一の基準で指導、取締りを行うために、詳細な解釈の通達が出されています。また、労基法以外の法律でも、法改正がなされたりした場合には、施行通達といって詳細な通達が発出されます。
 最近では、通達は、厚生労働省のホームページで発出からあまり時間をおかずに、だれでも閲覧できるようになりました。身近に起こり得る紛争や疑問の多くは、通達ですでに解が示されていることがほとんどです。

おわりに
 入門書、判例、行政解釈からスタートをして、その先はご自身の法律を学ぶ目的(例えば検定や資格試験合格)にあわせて、各論や詳論に進みましょう。労働法は法改正が頻繁ですから、発行期日が新しいものを選んだほうがよいでしょう。また、このメールマガジンやホームページ等で、法改正動向を早めにキャッチして、社内制度の改正や刷新などに活かしたいものです。

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過去問題集の活用の仕方

 派遣検定過去問題集改訂版2刷が販売中です。派遣検定対策として過去問題集はどのように活用すべきなのか、Q&A形式でご説明いたします。

 過去問題集を出してほしいという要望があり、昨年の7月に初版が発行されました。そして2012年10月に改正労働者派遣法の施行がありましたことから、2012年12月に改訂されました。そして、この度、装いを新たにされました。

―ご指摘のとおりの経緯です。この度、利便性を考えて、本の大きさを変えましたが、一部不適切箇所を修正しましたが、2012年12月の改訂版と同じ内容です。
 従って、過去に出題した問題100問(派遣検定の2回分)に、2012年10月施行部分を中心に作成しました練習問題の2部構成となっております。

 過去問題集の発行により、派遣検定が始まった当初の派遣元責任者講習のテキストや事前研修から学習ツールが増えたということができます。どのように過去問題集を位置づけし、またどのようにこれを活用したらよいのでしょうか。

―ご指摘のように、派遣検定が実施された当初は、派遣元責任者講習のテキストと事前研修が学習ツールでした。検定試験の回を重ねるごとに多くの方々から過去問題集を発行してほしいという声が寄せられるようになりました。こうしたご意見を踏まえ、検定試験事務局では2012年の夏ごろから、検定試験問題の蓄積を考慮して、その発行を検討してきました。そして、2012年8月の第5回検定試験に間に合わせる形で発行しました。そうしたことで、1つ学習教材が加わったということができます。
 言うまでもなく、過去問題集は、あくまで過去に出題された問題を集めたもので、出題傾向を把握するには有効です。派遣検定試験は、試験要項にもありますように、派遣元責任者講習をもとに出題されますので、学習の基本はそのテキストや講義ということになります。派遣元責任者講習のテキストをおさらいした上で、過去問題集を活用して出題傾向や出題様式を理解するとともに、実際に問題を解いてみてできなかった事項について、もう一度、派遣元講習のテキストなど確認し、理解することが大切であると思われます。

 過去問題集には、過去に出題された問題のほかに、練習問題が掲載されているとのことですが。

―2012年10月から改正労働者派遣法が施行されました。これら改正された部分については、これまでの検定試験には出題されていませんので、学習に供するために専門家に依頼し、練習問題を作成し、掲載したわけです。改正法については、法施行に先立って、講習会に出席したり、社内の研修で理解されたものと思われますので、その確認の意味で練習問題を用意させていただいたものです。

 どの様に過去問題集を活用するのが一番有効でしょうか。

―派遣検定に限らず、試験勉強のしかたは人によって様々ですので、それぞれの進め方に適した活用を自ら工夫することが必要です。
 唯一言えることは、練習問題は別にして、この問題集に搭載した問題はこれまでに出題された問題です。似たような問題が出題される可能性はありますが、問題集にのっている問題がそっくりそのまま出題されることはごく稀であるということです。したがって、派遣元講習のテキストを学習したうえで、どれだけ理解しているかとか理解が不十分な箇所を発見するために活用していただくのがよいかと思われます。