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コンプライアンスニュース2013年6月号

※2013年6月に発行しましたコンプライアンスニュースの主な記事をご紹介します。
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【目次】
 ▼ 労働者派遣法と私
   人材ビジネスコンプライアンス推進協議会 理事 市川隆治
 ▼ 合格者の声 (株)スマイルスタッフ 熊田利之さん
 ▼ 派遣検定 試験問題ができるまで
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労働者派遣法と私 
人材ビジネスコンプライアンス推進協議会 理事 市川隆治

 今回のメールマガジンは当協議会理事で一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター理事長でもある市川隆治氏に寄稿いただきました。

 私の労働者派遣法との係わりは、平成19年に全国中小企業団体中央会専務理事として、労働政策審議会の労働力需給制度部会における使用者代表委員に就任したときに始まった。当時はリーマンショックの嵐の中、あらゆる業種のパフォーマンスが最低に落ち込み、いわゆる“派遣切り”が多発し、その上“秋葉原事件”が起き、その風評被害とも言うべき世論の派遣バッシングが勢いを得ていた時期である。こうした中で当時の自公政権も規制強化に動き出し、日雇派遣の原則禁止を柱とする労働者派遣法改正案を国会に提出した。この法案が継続審議を重ねるうちに平成21年夏の衆議院総選挙で民主党への政権交代が起きた。

 民主党政権の下では労働組合の発言力が増し、連立を組む社民党の強硬な主張もあり、
労働者派遣法についてはさらに規制を強化するべきだという方向に軸が動いた。既に内閣提出法案として改正法案が国会に提出され、継続審議の状態のときにそれに代わる内容の新たな内閣提出法案を政府が国会に提出できるものかどうかという点については、例えば一旦労働政策審議会として公労使3者間で合意して厚生労働大臣に答申したものを、政権交代以外には社会情勢の変化がなく、審議会のメンバーも変わったわけでもないのになぜ答申のやり直しができるのか等、若干の法律上の疑問が残ったが、政権交代したのだからということで、需給制度部会でも新大臣の新たな諮問を受け、あきらめの空気が流れた。もちろん労働者代表委員は我が世とばかりに意気軒昂であった。

 需給制度部会における喧々諤々の議論については議事録に委ねることとするが、民主党政権にとって重要法案となったため、また、私をはじめとする使用者代表委員の白熱の議論が話題を呼び、傍聴席は常に満員御礼状態で、節目の部会にはテレビカメラも入るというおそらく部会始まって以来の事態となった。私自身も何回となく部会終了後にぶら下がり取材を受けたし、あるテレビ番組の討論にもお招きいただいた。その討論では出場者それぞれがキーワードをパネルに書くことになっていたが、私が選んだのは「清く、正しく」であった。その頃からコンプライアンスを意識していた。

民主党政権としては日雇派遣に加え、製造派遣及び登録型派遣も原則禁止にしようとした。当時の私の議論は、規制強化により数十万人の派遣スタッフが職を奪われることとなれば、“官製派遣切り”になってしまうし、その際一番被害を受けるのは少ない人員で仕事を切り盛りし、アルバイトを雇う手続きだけでも社長の大きな負担となる中小企業であるということが中心であった。

 結局、使用者側意見を4か所に、しかも前例にないほどのボリュームで付した上で審議会としては通した。その後の顛末は政治的なものであり周知のことであるが、野党の勢いに押され、製造派遣及び登録型派遣の原則禁止は削除した上で昨年3月に修正労働者派遣法改正案が国会を通過した。昨年12月の衆議院総選挙において、自公政権が返り咲くと、労働者派遣法の抜本的改正へと再び軸が動いている。こうした流れの中で、派遣元責任者講習会が形骸化しているのではないかという議論もあったが、これについては私も賛成で、人材コンプライアンス推進協議会が派遣検定を実施し、広く浸透すれば、派遣会社さらには派遣先企業のコンプライアンス向上につながるということで、当協議会発足に当たり、慶んで理事をお引き受けすることとしたわけである。

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合格者の声
 第6回派遣検定では111名の方が合格されました。このコーナーでは今回の「派遣検定」に合格された方から、合格の秘訣、今後の抱負などをお伺いします。

●合格者プロフィール●

熊田利之さん
株式会社スマイルスタッフ
大田原営業所
熊田 利之さん
2002年10月1日入社。大田原営業所へ配属され、一貫して営業職を担当する。主な業務である取引先の開拓の営業以外に、募集・採用や就業者の管理等の幅広い業務に携わる。

●「社内で先に受験した方は全員合格」でプレッシャー

―合格おめでとうございます。今回の「派遣検定」受験の理由をお聞かせください。
 弊社では、経営方針として「法令順守を基本とした事業運営」を掲げており、社員の法律に対する知識レベル向上の為、社員教育の一環として第1回派遣検定より管理職を中心に受験をさせていただいております。今回は、その順番が回ってきた事が受験のきっかけではございますが、派遣業界に携わる者として私自身の関係法令に対する知識がどの程度あるのかを把握する意味でも以前より是非、受験したいと考えておりましたので会社には大変感謝しております。

―どのような勉強をしましたか?
 1ヶ月前に開催された事前研修のテキストや過去問題集を中心に取り組みました。具体的には、テキスト内容を理解する事から始めて、その後、問題集の反復練習を行いました。今回は、派遣法改正後、初めての派遣検定という事もあり、特に法改正の内容を重点的に勉強しました。また、曖昧な点につきましては、上司に確認したりインターネットで調べたりして、すべて解消する事を心がけました。今では笑い話となりますが、社内で先に受験された方が全員合格されていたので、私自身は相当のプレッシャーでした。

―それはかなりのプレッシャーですね。では実際の試験本番で苦労されたことはありましたか?
 法改正後、最初の試験だったせいか過去問題集やテキスト問題とは違い、文言等のひねりが多く問題を解読するのに苦労しました。また、解読するのに時間を費やし答案用紙を最後まで見直しする事が出来なかったので、試験後に不安が残ってしまいました。

―今までの『合格者の声』でも見直す時間がなかったというお話はよく伺いますね。他に何か気づいたことはありましたか?
 業務上で何度も使用している派遣法や関係法令などについて、自分で認識している以上に実際は理解できていなかった事に改めて気づきました。大枠では理解をしておりましたが、改正法などの詳細な部分については予想以上に理解できていなかった部分があり、今回の派遣検定を受験させていただき理解を深める事ができました。

●仕事の架け橋だけでなく、コンプライアンス面での架け橋にも

―今後、「派遣検定」をどのように生かそうと考えていますか?
 派遣検定を派遣先企業様と派遣スタッフさんに宣伝し知名度を上げると共に、派遣先企業様と派遣スタッフさんの仕事の架け橋だけではなく、コンプライアンス面の架け橋ができるようなアドバイザー的役割も担っていければと思います。

―派遣先の方々と派遣スタッフさんへのコンプライアンスのサポートは重要かもしれませんね。では、これから受験される方へアドバイスをお願いします。
 まずは協会主催の事前研修を受講することをお勧め致します。研修では、講師の方が事例を交え詳しくご説明して下さいますので、大変参考になります。また、日常の時事ネタ・ニュースなどの知識も重要となりますので、日頃からの情報収集も好ましいかと思います。「合格」が最終目的ではありますが、ご自身のスキルアップと正しい知識の理解を得る機会にしていただければと思います。

―派遣事業におけるコンプライアンスに関して、普段の業務で感じていることを教えてください。
 派遣業界は常に法律と隣合せで運営されております。過去にリーマンショックで大きな不信感を抱かれてしまったのも、ご存じのとおり法令違反によるものです。この不信感を払拭するためにも、派遣会社の担当者である私たちがコンプライアンス意識を高く持ち、確りとした知識を得ることが重要であると考えております。その確りとした知識を習得する為にも派遣検定の受験をお勧め致します。

―ありがとうございました。今後のご活躍をお祈り申し上げます。

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試験問題ができるまで

労働者派遣検定に出題する問題は、

①出題者の選定と出題分野の決定

②出題者による問題作成

③審査委員会での問題の審査と修正

④印刷

という過程を得て作成されます。
出題者の選出から問題の印刷までの要する時間は、およそ4ヶ月で、8月8日に予定されている第7回派遣検定は、すでに②問題原案作成段階を終えて、③の審査委員会での審査の過程に入ろうという段階に差し掛かっているところです。
試験問題

①出題者の選定と出題分野の決定

 問題の作成は、試験ごとに、派遣検定試験実施事務局が、社会保険労務士などの労働者派遣をはじめ労働問題に造詣が深い人の中から適任と思われる複数の問題作成者を選定するとともに、出題分野を決定した上で、問題の作成を依頼します。出題分野は、実施要領によって出題分野がきめられており、また分野ごとの出題数も前後の公平を保つ観点から大きな変更を行っておりません。しかし、その時々の法改正や行政の動向等を配慮にいれて作成するようにしています。

②出題者のよる問題案の作成

 ①により指名された出題者は、出題分野、事務局から示す出題方法等を踏まえて、問題を作成することになります。

③審査委員会での審査

 出題者から提出のあった問題案は、つぎに、法律家、実務経験者等からなる問題審査委員会で、問題としての適否、記述表現、難易度などについて審査し、不適切な問題や箇所があれば出題者に再考を要請し、問題の再作成、修正をします。この審査委員会は、問題の再作成、修正の度合によって、複数回開催され、検定試験としてふさわしい問題が出題できるように努めています。また、事務局は、字句表現を点検し、わかりやすく適切な表現であるかを点検のうえ、印刷業者に問題原稿を送付することになります。