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コンプライアンスニュース2013年5月号

※2013年5月に発行しましたコンプライアンスニュースの主な記事をご紹介します。
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【目次】
 ▼ 障害者も健常者も同じ世界に在るということ
       国立職業リハビリテーションセンター所長 三上明道
 ▼ 合格者の声 (株)安川ビジネススタッフ 田中宏和さん

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障害者も健常者も同じ世界に在るということ 国立職業リハビリテーションセンター所長 三上明道

 先月号でこの4月から民間企業の障害者雇用率が2.0%に改訂されたことをお伝えいたしました。この障害者雇用について、国立職業リハビリテーションセンター所長の三上明道様にご執筆いただきました。

 2011年WHOが初めて出した「障害に関する世界報告書」に、ホーキング博士が序文を添えている。「私は、皆さんから情報獲得を始め様々な障壁を乗り越える手立てを与えて頂いた。こうした恵まれた環境にいる障害者は多くない。障害者に勇気と希望を与えるためにもこうした数値に裏付けされた現状と支援の提言が掲載されている報告書が出ることは画期的なことだ。」という趣旨のことが述べられている。報告書では、障害者は世界の全人口の15%という。

 我が国「障害者白書」では、精神、身体等合わせて、障害者が約700万人である。最近では、糖尿病や心疾患、癌、精神疾患の世界的増加の中で、何らかの障害を持つ方が増加してきている。我が訓練校でも関連障害者は年々増加し、身体障害者の訓練生と数字的にも拮抗するようになってきた。これまで健常者として生活を続けてきた発達障害が、コミュニケーションの不具合さに納得し、診断を受け、障害者手帳を持つという例も見られるようになった。ニートといわれる無業者の中にもこうした障害を持つ方は多いと聞く。こうなると、軽微な障害も合わせると障害者は1000万人に達するのではないかという話になる。

 私自身、労働行政に長く居るにもかかわらず、これまで、こと障害者労働問題には関わることが少なかった。どちらかと言えば、不況対策や産業雇用対策のフィールドに長くおり、通商産業省(現経済産業省)とのバトルと協力の日々が鮮明に自らの記憶に残っている。そして、対象者は、ばりばり働く健常者で、世の中99.9%の人が健常者と言うくらいに考えていたように思う。

 ところが、先ほどの情報などに触れると、「失業者の中には、不安の中で不眠に苛なまれ鬱病を患った方もいたし、そういえば健常な勤労者として見ていた方々の中にも精神的な障害を持つ人がいたな。」とはたと気づく。何もあれは別世界のことではなく、同じ世界のことなのだと。

 異次元ではなく、同次元であることを我々に強く認識させるのに寄与したものとして
2001年にWHOが出した国際生活機能分類(ICF)があると思う。ここでは、「障害の概念は、機能障害、活動制限、及び参加制約を意味する包括的用語である」と定義されている。それから12年、障害モデルは従来の医学モデルから社会モデルを含む統合的モデルへと変化を見せ、ツイントラックモデルに基づいて施策は構築されてきた。ツインの一つは障害のメインストリーム化。我が国ではノーマライゼーションの方が通りがよいが、健常者の法律や制度の中に障害者も組み込み、ユニバーサルデザインなど健常者も障害者も同じ土俵で生きていけるようにすること。そしてもう一つは、人権の観点から我々のような障害者校のように障害に特化した支援を行い、障害者をエンパワーすることである。私の抱くイメージは、「激流が流れる川面を鮭が遡上する。滝がある。一つには、平行して緩やかな人工の滝が設えてある。二つには傷つき疲れた鮭を癒す穏やかな池がそのそばにある。」

 国連では、一般的に開発はニューヨーク系、人権はジュネーブ系が仕切るが、今回の国際障害者権利条約はニューヨーク系が、「権利条約は差別禁止だけではない、人権と貧困、開発問題を一緒に統合して考えるべき」とイニシアティブを取ったと聞く。こう見ると、我が国でも批准が待たれる当該条約は、個々の障害者をどうこうという話だけではなく、むしろ合理的配慮という手法で社会自体を障害者も健常者も生きやすい環境に物理的にも変えていこうという狙いを強く感じる。先日もオリンピック(私はメインストリームへのツールと呼べると考えている。)にもパラリンピック(私はエンパワーメントのツールと考えている。)にも出場した義足のブレードランナーを擁し、既に批准を終えている南アフリカから我が国の障害者訓練の状況の視察団が来所した。担当副大臣の言動に批准国としての矜恃が見て取れた。また、メインストリームとエンパワーメントの両者を機能させるためにも、さらなる改善に社会全体が真剣に努力しなければならないということを感じた。

 最後になるが、労働者福祉的発想と地域産業振興的発想は、先に述べたように、いつの時代でも多くのバトルと協調を生んできた。この数年、障害者雇用対策の世界にもそうした動きが生じているように思える。最近の動きが真に障害を持つ労働者を利する変化であって欲しいと切に願っている。

●国立職業リハビリテーションセンターとは
 国立職業リハビリテーションセンターは、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく
「中央広域障害者職業センター」と職業能力開発促進法に基づく「中央障害者職業能力開発校」の2つの側面をもっています。厚生労働省により昭和54年に設置され、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しています。隣接する国立障害者リハビリテーションセンターとの密接な連携のもとに、障害のある方々の自立に必要な職業指導や職業訓練などを体系的に提供する、我が国における職業リハビリテーションの先駆的実施機関です。

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合格者の声
 第6回派遣検定では111名の方が合格されました。このコーナーでは今回の「派遣検定」に合格された方から、合格の秘訣、今後の抱負などをお伺いします。

●合格者プロフィール●

田中宏和さん株式会社安川ビジネススタッフ
管理部 経理課  田中宏和さん
2002年3月21日入社。営業職を8年間担当する。2010年3月21日より経理担当となり現在に至る。
第6回「派遣検定」合格者。
 
 
 

●「第1回から挑戦したいと考えていました」

―合格おめでとうございます。今回の「派遣検定」受験の理由をお聞かせください。
 第1回「派遣検定」が開催された時から、挑戦したいと考えていました。当社では毎回各部門から選出された社員が受験しております。今回は自分が選出され、受験する機会を与えていただいた形になります。

―どのような勉強をしましたか?
 派遣検定の過去問題集、社内での勉強会の資料、および派遣元責任者講習のテキストで勉強を行いました。特に、今回は派遣法が改正された直後の試験だったので改正法を中心に勉強しました。

―改正法中心に対策を練られたのですね。では実際の試験本番で苦労されたことはありましたか?
 かなり細かい知識を問う問題や実際の現場を想定した問題が多かったので苦労しました。また、自分では理解しているつもりではあっても、あやふやな部分がある事に気付かされました。特に請負・出向や個人情報の問題では予想以上に知識が乏しかった事を思い知らされました。

●日常業務のコンプライアンス意識が合格にもつながる

―今後、「派遣検定」をどのように生かそうと考えていますか?
 現在は経理課に所属しているため、現場とふれあう機会は少ないのですが、
何らかの形で営業担当やコーディネーターの役に立てるような仕事をしていきたいと思っています。

―サポートしてくれる方がいると思うと現場の方も心強いでしょうね。
では、これから受験される方へアドバイスをお願いします。
 派遣検定は、派遣法だけではなく労働基準法やその他の社会保険の知識が要求されるため、その分野の勉強も必要です。さらに、検定では実際の現場を想定した問題が数多く出題されます。法律の条文のみではなく、それが「実際の現場ではどうなる?」といった知識も要求されますので、日常業務において常にコンプライアンスに努めることも重要です。

―その日常業務で意識していることはありますか?
 派遣業界では、派遣法に限らず、労働基準法・安全衛生等幅広い知識が要求され、
毎年何らかの法律が改正されています。絶えず、アンテナを張って知識の習得に努めていかなければならないと考えています。

―ありがとうございました。今後のご活躍をお祈り申し上げます。

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